躁うつリズムのサラリーマン

うつ病・双極性障害Ⅱ型により、同じ職場で3度の休職をしているぼくのリアルな体験記。『病気は個性』と思える日がやってくる。

(先々が不安でたまらない人へ)時間がもらたす効能

こんにちは。心の病を患った際は何をするのも辛くなりますよね。人に会うのも気が乗らないし、仕事なんてとてもとても。でも、何もしないと罪悪感や置いていかれている感を抱いてしまい、やがて焦りや苦痛に変わる。主治医にも家族にも職場にも友人にも、「焦るな」「あまり考えるな」そう言い続けられてきました。みんな「時間が解決する」「今は休むことが必要」と言いました。でもぼくには無理でした。渦中のぼくにはそのアドバイスを信じることができませんでした。

 

でも今振り返ると、時間がもたらしてくれるものが、心の病には一番大きな財産になるような気がします。ぼくが療養で費やした時間で何を得たのか?今日はそれを紹介したいと思います。

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大前提、人間は慣れる

風邪で2~3日仕事を休んだ後に出社すると、何から手をつけようか戸惑った経験はありませんか?心の病の発症時も一緒です。今まで普通に生活をしてきた最中に突然調子を崩したんです。違和感があるのは当然です。その違和感に対して抵抗を続けたぼくは、病を受け入れることにかなりの時間を費やしてしまうことになりました。辛いのは十分わかります。でも病気になった初期はまず受け入れることに全力を注いでほしいと思います。以前に投稿した記事にも書きましたが、受け入れることが一番大変です。でも受け入れただけで自体は大きく変わります。ぼくのように抵抗して長引かせず、さっさと受け入れることができれば、自分の状態に慣れてきて苦痛が徐々に減っていきます。

 

 

sarariman-utsulism.hateblo.jp

 

一日の時間が長く感じる苦痛

普通に仕事していた当時と同じ時間に起きて一日を過ごしていると、休養期間中って

かなり暇ですよね。ぼくはこの暇さが苦痛で溜まりませんでした。何とかこの時間を有意義にしようとして、TSUTAYAで漫画をレンタルしてきて読んだり、家をゆっくり掃除して一日を過ごしたりして誤魔化してきましたが、それも長くは続きません。仕事に行くことを当たり前にしてきた生活から離れるとこうも時間を持て余すものかと感じました。ぼくはこれといった趣味がない分余計にそう感じました。子供たちが学校に行き、奥さんがパートに出かけた後はいつも虚無感と戦っていました。夜寝る前の心持ちは「何とか今日もやり過ごした」でした。一人暮らしの方や、ぼくのように一人でできる趣味が無い方の場合、この時間をやり過ごすのは苦痛かもしれません。でも、生活サイクル(起きる時間・活動時間・寝る時間)は乱さないことを意識して下さい。起きられない時は無理しなくていいし、一日中寝ている日があってもいいと思いますが、体調が落ち着いているようなら規則正しい生活にチャレンジしてみて欲しいです。そうでないと、毎日をただただ「やり過ごす」日々になってしまい、結果的に療養に支障をきたしてしまいます。

 

こんな機会だからこそ見える景色がある

一日を長いと感じていたぼくですが、漫画のレンタルにせよ何にせよお金がかかります。先々いつ仕事を再開できるのかもわからない状態でしたので、少額とはいえ自分の私欲でお金を浪費するのには抵抗がありました。そこで、お金をかけずに時間をやり過ごせる方法を考えるようになり、出した結論が『本屋に行く』でした。最近の本屋さんは、買わなくても本をじっくり読めるようにカフェが併設されていたり、イスが用意されていたりするので、じっくり読むことができます。ぼくは大きな本屋さんに行き、興味のある本のタイトルを手にとって読んでみるのを繰り返しました。元々は苦痛な時間をやり過ごす為の手段に過ぎなかったのですが、今はそれが趣味になっています。これはこれだけ長い時間休職していたからこそ発見できた財産だと感じています。

 

選択肢は狭くなったわけではない

ぼくは今でも休職をしていますが、つい数か月前は将来が不安で仕方がありませんでした。「今後のキャリアはどうなってしまうのだろう?」「病気持ちの自分をこの先採用してくれる会社はあるのだろうか?」「今の会社に残り続けて、また再発してしまったらもうクビになるんじゃなかろうか?」そんなことを考えていました。病気になったことが、自分の選択肢を減らしたと感じていました。でも、そんなことは無いんです。心の病に対して、世間の理解は少しずつ広がっています。確かに病気にはなったけど、何かを失ったわけではないんです。むしろ、今後をじっくり考える貴重な時間を新たに得ることができている状態だと思います。先々への不安はどうしても考えてしまうと思いますが、これから先どんな選択も可能です。年もキャリアも関係ない、選択権はいつでも、どんな状態でも自分にある!そう自分に言い聞かせています。そう考えると、実際選択肢が増えていくのだから面白いモンです(笑)

 

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心の病を経験することって、それ程悪いものでもないのではないでしょうか?

最近ぼくはそう感じています。この時間を通じて、自分自身が気づいていなかった新たな自分の要素やホンネに触れる機会が増えているという事実もあると思います。うつが酷い日や操転してしまったタイミングなんかは、本当に辛いし逃げ出したくなります。でも、こんなに自分と向き合える時間も、長い人生の中でそう無いのではないかと思います。病気になったことを感謝しよう!とまでは言えませんが、今の時間を大切にしていこうと思って毎日を過ごしています。そんなぼくの経験が、誰かの辛い日々を少しでも和らげることができれば嬉しく思っています。